リンプフィッシュホルン（4199m） 期日／2000年08月14日(月)〜15日(火) 山域／ヨーロッパ メンバー／２名 概要／ 8月14日 　今日は、小屋までの予定なので、山の準備をして昼まで、のんびり過ごす。3人で小屋まで行き、次の日に１人は小屋から戻り、私達はリンプフィッシュホルンからサースフェーに降りる計画。 　13時半ホテルを出て、14時のスネガ行きの地下ケーブルに乗る。ブラウヘルトから下りぎみの車道を約１時間で、Flueヒュッテ(2618m)に入る。明日のコースを1時間ほど下見する。 8月15日 　簡単な朝食をして、3時50分出発。月は有るが、道は不明瞭なので、ヘッドランプは必要だ。5時40分Pfulroeのコル(3155m)に着き、先行の２パーテイに会う。Pfulroe(3314m)のピークは北をまく。尾根を越えて氷河に出た所で(6時30分)アイゼンとザイルを付ける。雪の単調な登りが途絶えて、8時30分広い岩の尾根を越えたところで休む。長い雪稜を登り西峰の岩場に取り付く。簡単な岩場が４ピッチ続き肩に出たところで(10時)ブリタニア小屋から登って、下山して来るパーテイに会う。ここまで来ると、マッターホルンも低く見えてくる。 　雪の西峰(4009m)を越えて、コルには10時30分に着く。ここはブリタニア小屋からの登山者ほうが多いようだ。頂上に続く岩場は、雪と岩のミックスで北に回りこみながら、７ピッチで頂上直下の高度感(左右が500m切れ落ちている)のあるナイフリッジに出て、20mの岩場を残すのみとなる。(12時10分)十字架のある頂上(4199m)は、3人で満員となるほど狭い。 　北稜を縦走してアラリンパスを目指す予定だったが、稜線に雪が多く断念してコルに戻る事になる。腐り始めた雪面を下り、13時30分コルに着く。タッシュに下れば、今日中にツエルマットに戻れると考え、ワイスホルンを見ながらMellichbach目指し、広い広い雪の斜面を延々と下る。15時30分氷河を渡りきってVorder Wandに出て、道の無いガラガラの斜面をトラバースして、やっとモレーン上に付けられた踏み跡に入る。道と言っても獣道で、山羊の糞がたくさん落ちていて、際どいところを消えたり分れたりして続いている。それでも、無いよりは遥かに歩き易い。草が増えて来た所で、道の主のアイベックスの群れに出会う。足の踏み場が無いほどの、エーデルワイスの花畑。アルプスの自然の大きさが実感できるところだ。18時10分、長い長い下りが終わり、やっと谷底の草地(2323m)に出られる。小川と草原だけが続く、絵に描いたような真っ直ぐで平らな谷。時間があればのんびりしたい。そんな所を急ぎ足で30分歩き、牧場に着く。そこから先が、小さなホテルが散在するタッシアルプだった。19時、ひと安心して、村で1軒だけのレストランに寄って、庭のテーブルで特大のコーラを飲む。長かった。でも、ここからタッシュの駅(1438m)まで、まだ標高差800m約2時間の下りが待っている。足の豆も、むけている。本橋さんが、レストランから出る観光客に声をかけると、駅まで車に乗せてもらえることになる。おかげで、20時10分の電車に乗れて、明るいうちに皆が居るホテルに戻る事が出来た。岩・氷河・アルプ・高山植物、ツエルマットの町から10km、一日半離れただけなのに、ずいぶん遠いところに行って来たような気がした。