モンテローザ 期日／2000年8月11日(金)〜12日(土) 山域／ヨーロッパ メンバー／５名 概要／ 8月11日 　ホテルの前の駅から12時21分のゴルナグラード鉄道でローテンボーデンへ、ここで8人全員で、そろって昼食を摂る。マッターホルンは、イタリア側に雲がついて頂上は見えない。だらだらの下りの道を、花を見ながら1時間でガドメンに着く。ここから氷河に向かって壁のようなところを急降下して氷河に出る。帰りの登り返しを考えるといやになる。氷河の横断は、モレーンが2箇所とクレバスは所々あり、平に見えてもかなりの登り下りが有る。アイゼン・ピッケルは不要だが、ゆっくり行ったので、モンテローザヒュッテまでは、1時間半かかる。小屋は満員だが、8人だったので寝室は、棚一つを占有できる。テーブルも一つ割り当てられて、楽しいはずのディナーだったが、私はビールに酔っ払い中座する。高山病が出たのか、体調が悪い。 8月12日 　1時半起床、装備をそろえて2時から朝食をする。小屋から戻る３人の仲間に送られて、2時半に出発する。月の無い闇の中を、ヘッドランプの灯りだけで、大勢が一列になって進む。氷河に出る直前で、メンバー１名が不調になり、１人付き添って小屋にもどる。戻ってきたメンバーと2人で、アイゼンを付けて雪面をのぼる。あっと言う間に、他のパーティに離されてしまい、先行の光を追って進む。雪面を2時間くらい歩いたところで、夜が明ける。周りが見えてくると、凄いところに居るのだなと気が付く。先月富士山に行って、高所トレーニングを行ったのに、高山病が出てきたようだ。4000mまで来ると、頭はガンガン痛くなるし、足が前に出ない。歩いているが、高度が上がらない。歩いているようで、歩いていない事にいら立つ。9時、頂上がすぐ上に見える。しかし、ここで時間をかける事は、明日からの計画を考えると出来ない。上天気のなか、あと2時間も歩けば着く位置に居ながら。またいつか、体調を整えて、再挑戦する事にして撤退を決意する。下りは楽で早いが、強烈な日差しで雪が腐り始める。10時頃に、1人上って来るのが見えた。帰ったはずのメンバーが、戻って来たのだ。高所順応のために4000mくらいまで行く気だったようだが、アンザイレンして、一緒に下ることになる。氷河が終わったところでひと休みして、岩屑だらけの道を1時間かけて小屋まで戻る。小屋でスープを作ってもらい食事をして、1時に下り始める。高山植物を見ながら疲れた足で長い登りを終えて、4時にローテンボーデンに着く。広大な自然に圧倒された思いだった。